だんだんと寒さが本格的になってきましたが、冷えで体調崩されていませんか?
体が冷えると肩凝りや頭痛、内臓の不調やだるさ…、なんとなく体の不調が起こりますが「冷えだから」とついそのままにしがち。しかし「冷えは万病のもと」。それに美容にも冷えは大敵です。
たかが冷えと放っておくと病気に繋がることもありますし、隠れた病気のサインというケースもあるので、冷えを甘く見ないで対策することが必要です。
冷えの対策というとシルクを思い浮かべる方もいらっしゃると思うのですが、どのようにシルクが冷え対策に役に立つのでしょうか?
1.冷えは万病のもと
冷えは体にどのような影響を与えるのか?
■血の巡りが悪くなり、頭痛・肩こり・腰痛、便秘・下痢、だるさなどの不調が起こりやすくなる。
■ホルモンや自律神経のバランスが乱れ、月経不順や肌荒れ、不眠などが起こりやすくなる。
■内臓の働きが鈍り免疫力が低下し、病気にかかりやすくなる。
■血行や新陳代謝が悪くなることで、肌のくすみや乾燥など美容にも影響する。
冷えの原因は?
自律神経の乱れ
体温調節を行う自律神経が乱れることで、正常に体温調節が機能せず「冷え」が起こる場合が多くあります。
その自律神経を乱す原因は、
・疲労やストレス
・睡眠不足
・季節や環境の変化
・寒暖差
・生活習慣の乱れ など
外部要因を脳の視床下部が感知することで起こります。
そしてホルモンを分泌する内分泌系と自律神経が視床下部で連動しているため、冷えがホルモンにも影響します。また、ホルモンの影響で自律神経が乱れ冷えることもあります。生理や更年期からくる冷えやほてりがそうです。
筋肉量が少ない
体温を生み出す筋肉。女性が男性に比べて冷えを感じやすいのは、筋肉量が少なく生み出す熱量が少ないことも原因の一つ。
2.冷やさない暮らしにシルクが役立つ理由
冷やさない暮らし「温める」
冷えをひき起こす原因は現代の私たちの生活にあふれています。
意識して取り除けるものもあれば、どうにもできないものもあります。
つまり、私たちは常に冷えやすい環境で暮らしているということ。
だから、いかに快適に暮らせるかは工夫次第です。
生活習慣を整え疲労やストレスに気を付けたり、良質の睡眠や運動することも効果的です。
それらが難しい時に効果的なのは、シンプルに「温める」こと。
温めて血行や新陳代謝が良くなると、不調や病気にかかりにくい状態にすることができます。
しかも体を温める方法はいろいろあるので、取り入れやすいのもポイントです。
シルクが空気で外気を遮断
そのひとつがシルク素材を取り入れる方法です。
シルクが夏は涼しく冬は暖かいと言われる理由のひとつは、シルクが空気を多く含んだ繊維だからです。
空気の熱伝導率は非常に低いので外気を遮断します。
つまり、冬はシルクの服を着たときに外の冷気が服の中に伝わりにくく、体温で暖められた服の中の熱は外に逃げにくいというわけです。夏はその逆です。
そのためシルクは「保温効果がある」「温度を快適に保つ」といわれます。
寒い地域に多い二重窓のような感じでしょうか。二枚のガラスの間に空気があって外気を遮断していますよね。ダウンジャケットや羽毛布団が暖かいのも同じです。たっぷり空気を含んでいるからです。
シルクは薄い生地ですが、その繊維の中に空気を含みます。それはシルク繊維の構造のおかげです。
シルクの生地を織るための生糸の元となる繊維「フィブロイン」は、さらに極細の「フィブリル」という繊維がたくさん集まって束になったもの。
その繊維間には隙間がたくさんあり、そこに空気を含みます。
3.他にもある「温める」暮らし方
衣類で暖める
体を絞めつける服や下着を避ける。
血流が滞ると冷えに繋がります。
きついブーツなども血流を悪くします。そんなときは合間に踵の上げ下げ運動をすると、第二の心臓と呼ばれるふくらはぎが刺激され血行がよくなります。
重ね着をして空気の層を作る。
重ね着をすることで空気の層ができます。空気は熱伝導率がとても小さいので外気を遮断するのです。
たとえば、登山での服装はそれを活用した「レイヤリング(重ね着)」という考え方が基本中の基本です。
レイヤリングの最大の目的は「体温を低下させないこと」。
なぜレイヤリングが基本中の基本かというと、山では体温の低下が命にかかわるからです。登山では運動によって汗をかきますが、急に気温が低下したり雨風にさらされたりと、体の熱を奪われやすい環境にあります。
日常生活はここまで過酷な環境ではありませんが、この体温を低下させない方法は日常でもとても役立ちます。
首を温める
首、手首、足首の「三首」は皮膚の近いところに太い血管が通っているため、外気の影響を受けやすく寒いと冷えやすい箇所です。
三首が冷えると冷えた血液が体内をめぐり全身が冷えます。逆に三首を温めると血流がよくなり、温められた血液が全身をめぐって効率よく全身を温めることができます。
室内でもストールやネックウォーマーがあれば体感温度がかなり変わってきますので節電にもなり一石二鳥です。家事や仕事で首元がもたつくときはタートルネックがとても重宝します。
温かいボトムスを履く
寒いとき上着を羽織るなど上半身で調整しがちですが、全身を温めるには下半身を温めることがポイントです。
下半身は心臓から遠く血流が悪くなりがちで冷えやすい箇所。下半身を温めると全身が暖かくなります。
上半身のように何枚も重ね着は難しいので、空気を含んでいるダウンや中綿、フリースなどのあったかパンツを活用するのはとても有効です。
食事で暖める
体を温める食材を食べる
【野菜】人参・かぼちゃ・玉ねぎ・長ネギ・栗・
【肉/魚】鶏肉・羊肉・鮭・タラ
【香辛料】生姜・シナモン・にんにく・山椒・八角
どんな食材が体を温めるかは傾向があります。
例えば冬に地下で育つ根菜は体を温め、夏に地上で育つ果物や野菜は体を冷やします。旬の食材を食べるのって大事ですね。
発酵食品を食べる
発酵食品の酵素は体の代謝を良くし体を温めます。
・漬物
・味噌
・醤油
・納豆
・チーズ
・ヨーグルトなど。
飲み物は常温~温かいものを飲む
・ココア
・紅茶
・生姜湯
・ホットワイン
ココアはカカオポリフェノールが血管拡張作用をもち、血行が促進され持続効果があるので特におすすめです。
私はココアに生姜をちょい足しして「ジンジャーココア」にしてよく飲みます。ピリッとした辛さがココアにマッチしてとっても美味しいです。
温かいものでも注意したいのが緑茶やコーヒー。カフェインが多く含まれていて体を冷やしやすいので飲み過ぎには注意です。
食べ過ぎない
食べ過ぎると消化のために胃腸に血流が集中し、筋肉などへの血流が減ってしまいます。そのため熱が生み出しにくく冷えやすい状態になります。
暮らしの中で温める
外気との温度差を広げ過ぎない。冬20℃、夏28℃
寒暖差が自律神経を乱すので、温度差をなるべく小さくすることが大切。
屋内でも寒暖差があるとヒートショックの危険があるため、暖房での室温上げ過ぎには注意が必要です。目安は冬20℃、夏28℃(環境省の推奨)。
熱すぎないお湯40℃くらいにゆっくりつかる
秋冬は40℃くらいの熱すぎないお湯に10~20分ゆっくりつかって血行を促進しましょう。
階段を選んでなるべく歩く
筋肉には細い血管がたくさん集まっているので、歩くことで下半身の筋肉を刺激し血流をよくします。
また、筋肉が熱を生み出すので、筋肉量を増やすことは熱を生み出しやすい体にすることに繋がります。
正しい姿勢を意識する
悪い姿勢が続くと血流が悪くなり使う筋肉も減るため冷えやすくなります。
正しい姿勢を意識することで筋肉量が増え熱を生み出しやすく、さらに肩や首の負担も軽減するので肩こりの解消にも効果的。
4.温める習慣
「冷えは万病のもと」。私も我慢しがちですが、良くないなと思いながら今回書きました。いちど習慣にしてしまえば苦労なくできることがたくさんあるので、「温める」を習慣にして不調知らずの体にしていきたいです。