洗えるシルクと普通のシルクは何が違う?


洗えるシルクと普通のシルクは何が違う?

  
今回は洗濯機で洗えるシルクと普通のシルクについてのお話です。
 
シルクはデリケートな素材で手洗いが推奨されていますが、忙しい日常の中での手洗いは大変なものです。仕事や家事で毎日忙しい方にも毎日シルクを使っていただきたくて、SUBEでは洗濯機洗いを可能にしたシルク生地を使用しています。
そもそもシルクはなぜ洗濯機で洗えないと言われるのでしょうか。
 
「洗濯機洗いできるシルク」と「普通のシルク」とでは何が違うのか、お話していきたいと思います。
  

1.そもそもシルクはなぜ洗濯機で洗えないの?

シルク(絹糸)は、蚕という幼虫が蛹になる時に、外敵から身を守るために作り出す繭糸が原料となっていて、フェブロインとセリシンという2種類のタンパク質から構成されています。
 
これを精練というセリシンを取り除く工程を経て、あのシルクの光沢と柔らかさが生まれるのです。
 
残ったフェブロインは、フィブリルという更に極細の繊維がたくさん集まって束になったもので、洗濯などの摩擦が加わると、この束になったフィブリルがバラバラにほつれ毛羽立つことで、色が白っぽく変化してしまいます。
 
これがフィブリル化という白化現象です。洗いすぎてカサカサになったお肌のように…。他にもシルクは水で洗うと縮むという欠点もあります。
 
これを防ぐため、ぐるぐるかき混ぜながら洗う家庭用洗濯機ではなく、優しく手洗いするか、プロに任せてクリーニング屋さんに出すことを推奨されているのです。
 
洗えるシルクと普通のシルクは何が違う?

2.「洗えるシルク」とは?「洗えるシルク」って全部同じ?

店頭でも「洗えるシルク」という商品を見かけますが、「普通のシルクと何が違うの?」「シルクが洗える洗えないってどういうこと?」「そもそも生地なんだから洗えるでしょ」と疑問に思われている方も多いと思います。
 
まず、シルクも生地なのでもちろん洗えます。「洗えない」というのは一般的には「家庭洗濯できない商品」を指すことが多いです。これはシルクがとてもデリケートな素材なために、家庭洗濯では品質が保てずクリーニングのみOKとしている商品など、家庭洗濯できない商品も他の素材に比べると少なくないからです。
 
なので、何らかの加工によって「家庭洗濯を可能にしたもの」には「洗えるシルク」などと表示している商品もあります。

「洗えるシルク」にもいくつかのタイプがあり、その加工方法や効果はそれぞれのメーカーによって異なります。「洗えるシルク」の統一基準は現在のところありません。

では、どのようなタイプがあるのでしょうか。

例えば、家庭で水洗いした時に縮まないよう、商品を作る過程で生地を何度か洗い、これ以上縮まないようにしたものがあります。このタイプは洗濯などの摩擦で起こるフィブリル化(白化現象)は防げませんが、縮みを防ぐことが出来ます。

他に、最近では少ない加工方法かもしれませんが、樹脂加工で表面をコーティングする方法があります。これは樹脂がシルク表面を覆ってしまうので、シルクの風合いや機能性は得られませんが、フィブリル化(白化現象)を防ぐことができます。ただ洗濯を繰り返すことで樹脂が段々と取れていくため効果は徐々に衰えていきます。

あとはSUBEでも取り入れている、フィブリルがバラバラにならないよう架橋結合させる技術です。この方法の場合、シルクの風合いや機能性はそのままに、フィブリル化(白化現象)を抑えることが可能となります。樹脂のように洗濯で取れていくものではないので、耐久性があるのも特徴です。

SUBEでは、水洗いでの縮みも防ぐため真空高圧加工も行っています。薬品や水を一切使わないので環境にも優しい加工方法です。生地なので全く縮まない訳ではありませんが、大きく縮むことを防げます。

このように「洗えるシルク」にもメーカーによって様々な特徴があります。
 
 

3.普通のシルクを洗う時のポイント

このようにシルクの特徴を知っていれば、普通のシルクでも、ご家庭でお洗濯することが可能です。(水洗いNGの表示がない場合)
 
〈ポイント〉
①水温20~30℃
人の肌や髪と同じで高温はNGです。
 
②水量はたっぷり
水をたっぷりにすることで摩擦を防ぎ、汚れを落としやすくします。
 
③中性洗剤を使用
アルカリ性は汗や皮脂汚れなどの酸性汚れを中和し落とす力がありますが、タンパク質を溶かす性質があります。食器用洗剤が中性なのも手を傷めないようにするためです。
 
シルクも人の肌や髪と同じタンパク質なので、傷めないよう中性洗剤をお使いいただきたいです。塩素系・酸素系漂白剤は、アルカリ性が強いのでNGです。
 
④手洗いで優しく
手で軽く摘まんで水中で泳がすか、軽く押し洗い。
 
⑤脱水は優しく
強く絞ると繊維が傷つきますので、手にのせ軽く押しながら水分を落とし、タオルドライで残りの水分を取り除きます。
 
⑥タンブル乾燥はNG
人の肌や髪が熱風で火傷し、摩擦でカサカサになるのと同じです。シルクも傷つきます。
 
⑦風通しの良いところで陰干し
これも人の肌と同じく直射日光に当てていると劣化の原因になります。脱水後は空気を含ませるように軽く振りながらシワを取り、すぐに干します。
  
SUBEのシルクの場合は、④手洗い→洗濯機にすることも可能です。
ただ、手洗いに比べるとシワが入りやすくなります。
 
洗えるシルクと普通のシルクは何が違う?

4.シルクを洗濯機で洗う暮らし

シルクは優しく扱えば家庭洗濯も可能で、ゆったりと手洗いする時間を楽しむのもとても素敵なことです。

ただ、家事に時間を取られず家族のためや趣味などに時間を確保したい時や、忙しくて手洗いする間がなくシルクが着たくても着られないという場合に、洗濯機で洗えるシルクは役立ちます。
 
ただ、工夫を施したシルクも、生地なので残念ながら全く劣化しない訳ではなく、いずれは劣化していきます。時にはシルクを長持ちさせるために手洗いしながらゆったりした時間を過ごしたり、忙しい時には洗濯機洗いにしたりと、暮らしの道具として長くお役に立てれば幸いです。
 
洗えるシルクと普通のシルクは何が違う?