洗えるシルクと普通のシルクは何が違う?|SUBE

洗えるシルクと普通のシルクは何が違う?

シルクは性質上、水洗いや摩擦に弱く、洗い方は基本「手洗い」や「クリーニング」。ただ、お店には「洗えるシルク」と表示されたシルクもあります。

この普通の「手洗い」や「クリーニング」のシルクと、「洗えるシルク」は何が違うのでしょうか?「洗える」ってどういうこと?のお話です。
 

そもそもシルクはなぜ洗濯機で洗えないの?

洗えるシルクと普通のシルクは何が違う?|洗濯機で洗えるシルクパジャマ【SUBE】

シルク(絹糸)は、蚕という幼虫が蛹になる時に、外敵から身を守るために作る繭の繭糸が原料となっていて、この繭糸は「フィブロイン」と「セリシン」という2種類のタンパク質で構成されています。

これを「精練」という「セリシン」を取り除く工程を経て、あの私たちが知っている柔らかな光沢あるシルクが生まれるのです。

残ったフィブロインは、フィブリルという更に極細の繊維がたくさん集まって束になったもので、洗濯などの摩擦が加わると、この束になったフィブリルがバラバラにほつれ毛羽立つことで、色が白っぽく変化してしまいます。

フィブリル化という白化現象です。洗いすぎてカサカサになったお肌のように…。他にもシルクは水で洗うと縮むという欠点もあります。

これらを防ぐために通常シルクは、摩擦が発生する家庭用洗濯機ではなく、優しい手洗いか、プロに任せてクリーニング屋さんに出すことを推奨されているのです。

 
洗えるシルクと普通のシルクは何が違う?

 

「洗えるシルク」とは?「洗えるシルク」って全部同じ?

店頭でも「洗えるシルク」という商品を見かけますが、「普通のシルクと何が違うの?」「シルクが洗える洗えないってどういうこと?」「そもそも生地なんだから洗えない訳じゃないし…どういうこと?」と疑問になりますよね。

「洗えない」というのは一般的には「家庭洗濯できない商品」を指すことが多いです。

これはシルクがとてもデリケートな素材なので、家庭洗濯では品質が保てず「クリーニングのみOK」にしている商品があるなど、他の素材に比べると、家庭洗濯できない商品が少なくないため、こんな表現がされます。

なので、何らかの加工によって「家庭洗濯を可能にしたもの」には「洗えるシルク」などと表示している商品もあります。

そして、「洗えるシルク」にもいくつかのタイプがあり、その加工方法や効果はそれぞれのメーカーによって異なります。「洗えるシルク」の統一基準は現在のところありません。

では、どのようなタイプがあるのでしょうか。

1.事前に縮ませたタイプ(手洗い)

例えば、家庭で水洗いした時に縮まないよう、商品を作る過程で生地を何度か洗い、これ以上縮まないようにしたものがあります。

このタイプは洗濯などの摩擦で起こるフィブリル化(白化現象)は防げませんが、縮みを防ぐことが出来ます。

2.コーティングタイプ(手洗い/洗濯機)

他に、最近では少ない加工方法かもしれませんが、樹脂加工で表面をコーティングする方法があります。

これは樹脂がシルク表面を覆ってしまうので、シルクの風合いや機能性は得られませんが、フィブリル化(白化現象)を防ぐことができます。ただ洗濯を繰り返すことで樹脂が段々と取れていくため効果は徐々に衰えていきます。

3.フィブリルを繋ぐタイプ(手洗い/洗濯機)

あとはSUBEでも取り入れている、フィブリルがバラバラにならないよう架橋結合させる技術です。

この方法の場合は、シルクの風合いや機能性はそのままに、フィブリル化(白化現象)を抑えることが可能になります。樹脂のように洗濯で取れていくものではないので、耐久性があるのも特徴です。

架橋結合だけでは「水洗いによる縮み」を防げないので、SUBEでは、縮みを防ぐ「真空高圧加工」も合わせて行っています。この加工は薬品や水を一切使わないので環境にも優しい方法です。生地なので全く縮まない訳ではありませんが、大きく縮むことを防げます。

このように「洗えるシルク」にもメーカーによって様々な特徴があります。

 

普通のシルクを洗う時のポイント

シルクの特徴を知れば、普通のシルクでも家庭洗濯する時に気を付けることが分かってきます。(水洗いNG表記の場合はクリーニング店へ)

〈ポイント〉
①水温20~30℃
人の肌や髪と同じで高温はNGです。
 
②水量はたっぷり
水をたっぷりにすることで摩擦を防ぎ、汚れを落としやすくします。
 
③中性洗剤を使用
アルカリ性は汗や皮脂汚れなどの酸性汚れを中和し落とす力がありますが、タンパク質を溶かす性質があります。食器用洗剤が中性なのも手を傷めないようにするためです。
 
シルクも人の肌や髪と同じタンパク質なので、傷めないよう中性洗剤の使用をおすすめします。塩素系・酸素系漂白剤は、アルカリ性が強いのでNGです。
 
④手洗いで優しく
手で軽く摘まんで水中で泳がすか、軽く押し洗い。
 
⑤脱水は優しく
強く絞ると繊維が傷つきますので、手にのせ軽く押しながら水分を落とし、タオルドライで残りの水分を取り除きます。
 
⑥タンブル乾燥はNG
人の肌や髪が熱風で火傷し、摩擦でカサカサになるのと同じです。シルクも傷つきます。
 
⑦風通しの良いところで陰干し
これも人の肌と同じく直射日光に当てていると劣化の原因になります。脱水後は空気を含ませるように軽く振りながらシワを取り、すぐに干します。
 
SUBEのシルクの場合は、④手洗い→洗濯機にすることも可能です。
※手洗いに比べるとシワが入りやすくなります。
 
洗えるシルクと普通のシルクは何が違う?

 

シルクを洗濯機で洗うこと

シルクは優しく扱えば家庭洗濯も可能で、ゆったりと手洗いする時間を楽しむのもとても素敵なことです。

ただ、疲れている時や、忙しくて時間がない時は、自分を休めるために「洗濯機で洗えるシルク」を使うのも一つの手段です。

きっとシルクを使いたいというのも、自分を大切に扱いたいからなはず。であれば疲れたら休んで、気持ちや時間に余裕がなければ手抜きする。それが自分を大切にする事に繋がるのではないでしょうか。

 
洗えるシルクと普通のシルクは何が違う?
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