洗濯機でも洗えるシルクについて

洗濯機でも洗えるシルクについて

平安時代から絹織物業が盛んな京都。その技術は海外からも認められています。

現代もなお技術は進化し続け、シルクの弱点であった「スレ(毛羽立ち白っぽくなる現象)」を著しく抑制できる技術が生まれました。

家庭用洗濯機で洗っても、本来のシルクに比べ「スレ」が起こりにくく、お手入れの負担を軽減します。

 

注意点としては、シルクは人の肌に近いタンパク質で構成されているため、洗剤は「アルカリ性洗剤」ではなく、刺激の少ない「中性洗剤」をどうぞお使いください。

 

洗濯機でも洗えるシルク|SUBE

本来のシルクが洗濯で白っぽくなる原因は「摩擦」。

シルクの糸はフィブリルという極細の繊維が束になっており、洗濯などの摩擦でフィブリルがバラバラにほつれると毛羽立ち、表面が白っぽくなります。

フィブリルがバラバラになりにくいよう特殊技術によって架橋結合させることで、「スレ」を抑制し、洗濯機洗いを可能にしました。

 

また、水洗いによる「縮み」もシルクの弱点です。これを抑制するため、真空高圧加工という薬品や水を一切使わない環境にも優しい加工を行っています。生地なので全く縮まないというものではありませんが、この加工により大きく縮むことを防ぎます。

 

 

自然からの贈りもの

暮らしになじむ機能素材

 

数千年前からシルクは「繊維の女王」として人々の憧れの素材でした。

そんな貴族の生活を彩ってきたシルクですが、じつは現代生活に必要とされる機能性を備えた素材でもあり、それを活かせる環境が「睡眠」です。

 

その機能の一つが、「快適な温度」を保つこと。

暑い又は寒い環境だと、体が体温調整しようと活動します。すると、副交感神経の活動が低下するので、寝つきが悪くなり睡眠の質が落ちます。

シルクの生地は薄いですが、繊維の中に空気をたっぷりと含んでいて、その空気は熱伝導率が低いため、夏は暑い外気を、冬は冷たい外気を遮断し、おかげで夏は涼しく、冬は暖かく過ごすことができます。

そのため、副交感神経の活動が低下せず、寝つきが良くなるということです。

 

二つめが、「快適な湿度」を保つこと。

熱の放出を助けるのが、シルクの高い吸湿性です。シルクはコットンの約1.5倍、吸湿性が高いと言われています。

体から気化した蒸気を素早く吸湿・放湿することで、スムーズに深部体温を下げ、深い眠りに入ることができます。

さらに優れている点が、エアコンなどで外気が乾燥してしまっても、ある一定の水分率を保つ性質があること。つまり肌が乾燥しにくく快適な状態を保ってくれるということです。

 

三つめが、「至極の肌ざわり」。

お蚕さんがつくる繊維は、切れ目のない約1,500mの1本の繊維で、これは天然繊維のなかで唯一の長繊維です。

セリシンとフィブロインというタンパク質で構成され、精錬で硬いセリシンを取り除くと、太さは約1デニール。9,000mで重量がたったの1gという細さ。

この天然繊維で一番の細さが柔らかさの源です。

そのため滑らかで肌への負担が少なく、また空気を多く含んでいるため軽い着心地となります。このストレスフリーな着心地が睡眠を妨げないことに繋がるのです。

 

環境に順応する素材だからこそ、着るだけで簡単に快適な睡眠環境を作ることができるという点が、忙しい現代生活になじみます。

質の良い睡眠で、暮らしが今よりもっと充実したものになればと願っています。

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