「東京手仕事」プロジェクト

「東京手仕事」プロジェクトに参加させていただきました。

伝統工芸の未来をつくる「東京手仕事」プロジェクト
 
東京都及び(公財)東京都中小企業振興公社が主催する令和4年度「東京手仕事」プロジェクトにデザイナーとして参加させていただきました。
 
このプロジェクトは、東京の伝統工芸品を次世代へ伝承していくために、伝統工芸の職人とデザイナーが協働で商品を開発する取り組みです。
 
このたび、手描友禅作家 ユキヤ株式会社の大野深雪さんと協働で、「デジタル友禅Tシャツ」を製作しました。
 
伝統工芸品である手描友禅の筆致をデジタル捺染によって精緻に再現したTシャツで、着物の直線裁断を取り入れるなど、裁断ゴミを限りなく少なくしたデザインです。
 


2022年夏プロジェクトがスタート
 
洋服と着物。衣という共通のモノづくりでありながら、これまで交わることのなかった業界。工程や道具の一つ一つが新鮮で、自分のモノづくりの世界がグンと広がることにワクワクの連続でした。
 
手描き友禅は、生地に筆で絵を描いて染め上げる技法。
まず紙に下絵を描き、それを基に絹の白生地に露草の花の汁で下絵を描きます。この下絵の染料は水で流すと色が落ちるそうです。
 
万葉集にも多く詠まれている露草。描いた後は水で流して消えていくって、なんか儚いけどどこか豊か。
 
手描き友禅の特徴一つが糸目と呼ばれる細い輪郭線。
もち米を原料にした糊を渋紙で作られた円錐形の筒に入れ、絞りだして輪郭線を描き、その後に、筆や小刷毛を使って染料で染色。この時に糸目糊が防染の役目を果たします。
 
とても細い先金から常に一定の量を絞りだし細い輪郭線を描く作業は、見ているこっちが息を止めてしまうような繊細な手仕事です。
 
そして、地色を染める時に柄部分が染まらないよう糊で覆い、染刷毛を引いて地色を染めていきます。引き染めという技法です。
 
これを乾燥させてから蒸し釜で蒸すことで生地に色が定着。
冷水で糊や余分な染料を洗い流す「友禅流し」とよばれる水洗いを行い、湯のしで生地を整え、仕上げに印金や刺繍を入れてようやく生地が完成です。これを通常は着物に仕立てていきます。
 
今回は、これをデジタル捺染で複製し、現代日常着の代名詞ともいえるTシャツに仕立てました。
 
「デジタル友禅」というのは、手描き友禅をデジタル捺染でもっと多くの方に気軽に手にしてもらえるようにと、大野さんたちが取り組まれてきたプロジェクト。
 
手描き友禅は、熟練した技術でたくさんの丁寧な工程を要するため、値段も高価で、なかなか手にする事ができません。
 
今回製作した「デジタル友禅Tシャツ」は、「手描き友禅」という日本が世界に誇れる美しい技術がこれから先も受け継がれていき、生活を彩り続けるものであってほしいという想いを形にしたものです。
 
手描き友禅に触れるきっかけになればと願っています。
 
芸術であり日用品でもある伝統工芸のモノづくりにどっぷり浸かったこの一年。やっぱりモノづくりは面白いです。

 

 

「東京手仕事」プロジェクト
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